みなし配当に気をつける必要がある場面とは

みなし配当に気をつける必要がある場面とは

株主が会社から資金を回収する方法

会社から株主に資金を還流する方法は、一般的には(利益)配当です。しかしながら、配当が以外にもいろいろな方法があります。ぱっと思いつくだけでも下記のような方法があります。

  1. 資本の払い戻し(資金剰余金からの配当)
  2. 自己株式の取得
  3. 組織再編(合併や分割型分割など)
  4. 会社から株主に対する貸付
  5. 株主から会社に対する貸付から発生する利子

たとえば、株主が複数存在するケースで、特定の株主だけが株主を離脱する場合、中心的な株主が離脱する株主から株式を買い取ることが考えられます。しかし、買い取る株主に資金がないなどの理由で買い取ることが現実的でない場合、株主間で株式の譲渡を行うのではなく、会社が買い取ること、すなわち自己株式の取得を行うことが代替案として考えられます。

資本の払戻し(減資)や自己株式の取得対価の一部は税務上の配当となる可能性がある

資本の払い戻し、自己株式の取得、非適格組織再編(合併、分割型分割、株式分配)が行われる場合、支払対価の一部がみなし配当(所得税法第25条、法人税法第24条)として取り扱われる可能性があります。

税務上、みなし配当が発生した場合、支払い対価の一部は資本の払戻し額として取り扱われ、株式等の帳簿価額との差額について譲渡損益を認識します。
一方で、残りの部分は配当として取り扱われます。

この点、みなし配当が発生した場合、対価を受け取る株主の属性によっては、思わぬ課税が発生することが考えられるため留意が必要です。

配当所得が発生した場合の個人と法人の違い

個人と法人では配当を受けたときの税率が異なります。

個人が非上場会社から配当を受けた場合、配当控除を適用した金額について、総合課税として累進課税(住民税とあわせ最大55%)が課されます。個人の所得が大きい(課税所得4000万超)場合には、個人で55%の課税が発生してしまい、手取りが小さくなることが考えられるため、配当が発生しない代替案を検討するということが考えられます。

一方で、法人は、所得の種類によって税率が変わることなく基本的に一律(中小法人で法定実効税率34.6%程度)です。さらに、受取配当等の益金不算入を適用した場合、課税所得が抑えられる可能性があります。個人の場合とは逆に、配当等の益金不算入を適用があることを見越して配当が発生する方法を選択することが考えられます。

まとめ

みなし配当は奥深いテーマです。まだ語り足りない点もあるため、次回以降また取り上げたいと思いますが、今回のポイントは下記のとおりです。

会社法上の配当でなくても、資金還流の方法によっては、税務上のみなし配当が発生することがあるため留意が必要
個人株主に対して非上場会社からの配当が発生した場合、総合課税(累進課税)が課されて、最大55%の課税が発生する可能性に留意が必要
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